先日、こんなニュースを見かけました。
奨学金破産、過去5年で述べ1万5千人 親子連鎖広がる
奨学金の返済をすることができず、自己破産するケースが増えているというのです。
しかも借りた本人だけではなく、親族にも広がっている、というこのニュース。
欧米諸国などでは奨学金は返済不要給付型のものが標準となっており、
日本の奨学金の返済が必要となるのはかなり珍しいケース。
日本にも返済不要の給付型のものはありますが、
採用基準が高いなど、まだまだハードルは高め。
給付型の奨学金が当たり前になるといいのですが…
そんな奨学金ですが、現在確定申告のシーズンのため、
奨学金って税金はどうなっているの?申告した方がいいの?
と気になった方もいらっしゃるかと思います。
そこで今日は奨学金と税金について少しお話しようと思います。
結論から言うと、奨学金は税金を払う必要がない場合が多いです。
まずは所得税ですが、日本の貸与型奨学金は借金(負債)になるため、
所得には当たらないのです。
次に気になるのが贈与税ですが、こちらも借金(負債)となり、
贈与されたものにはなりません。
ですので、貸与型奨学金に関しては所得税、贈与税共に申告は不要となります。
例外となるのが給付型奨学金です。
こちらも所得税法第九条第一項第十四号で「学資に充てるため給付される金品」
は非課税所得と定められているため、所得税の申告は不要となります。
注意が必要なのが贈与税。
会社などの法人から給付されている奨学金に贈与税は課されませんが、
それ以外の団体から給付された奨学金で、
・1月1日から12月31日までの1年間に給付された奨学金の合計が
110万円を超えるもの
に関しては、原則として給付された奨学金の合計額から110万円を差し引いた額に関して
贈与税がかかることになっています。
課税率は200万円以下の場合だと10%をかけた金額が納税額となります。
200〜300万円以下だと15%となり、わりと高めの税率となります。
ただしこれにも例外があり、年間の給付額が110万円を超える場合であっても、
贈与税を払う必要がない場合もあります。
相続税法第二十一条の三第一項第四号で定められている一定の要件を満たす金品に該当する場合です。
相続税法第21条の3第1項第4号 には
「所得税法第78条第3項 (寄附金控除)に規定する特定公益信託(以下この号において「特定公益信託」という。)で学術に関する顕著な貢献を表彰するものとして、若しくは顕著な価値がある学術に関する研究を奨励するものとして財務大臣の指定するものから交付される金品で財務大臣の指定するもの又は学生若しくは生徒に対する学資の支給を行うことを目的とする特定公益信託から交付される金品」
と定められています。
もしも給付型奨学金で合計額が110万円を超える場合は、
まずは給付団体に確認するのが一番でしょう。
この春から晴れて大学生!という方も多いはず。
自分が利用する制度をよく理解しておくのも大人への一歩と考え、
今一度書類などに目を通してみることをお勧めします。
(via 奨学金.net)