以前、こちらのブログで「かつて日本に存在した税金」や
「世界の珍しい税金」を紹介させていただいたことがありました。
そんなものにまで?そんな理由で?
という疑問がぐるぐると湧いてきてしまうものが多くありましたが、
今日はそれの第三弾として、
「かつて存在した、世界の珍しい税金」を2つご紹介させていただきたいと思います。
まずは…
①窓税
これは1700年頃のイギリスに実際にあった税金で、
家についている窓の数によって税金が課税されるというものだったそうです。
なぜ窓なのかというと、当時ガラス自体がとても高価なものだったからです。
財政が苦しかった政府が、お金持ちから税金を徴収するために考えた税金でしたが、
結果的に市民たちは最低限の窓だけを残して窓を外したり塞いだりしてしまったそうです。
そうなることまでを想定していなかった政府のおまぬけ加減が悲しいですね…。
実は日本にもかつて似たような税金がありました。
それは「間口税」。
江戸時代に存在した税金で、家の間口3間(5.4m)ごとに税金をかけるというものでした。
しかしこちらも市民のほうが賢く、それならばとできるだけ間口を狭め、
奥行きのある家を作るようになりました。
京都の家などが縦に細長く出来ている理由はまさにこれが原因なんです。
次にご紹介するのは…
②ひげ税
こちらは、ロシアのピョートル1世が制定した税金。
名前そのまま、ひげに対して課税をしていました。
これには理由があり、当時ピョートルはロシアを欧州列強のような先進的国家にすることを
目指していました。そのためには国民・貴族の意識改革が必要と考え、
ロシアの風習の象徴である髭をなくすことにしたのです。
日本にもかつて断髪令というものがありましたが、考え方としては同じですね。
思わず笑ってしまう「ひげ税」ですが、当時のロシア人にとっての
「ひげ」はかなり重要なものだったようで、農民を中心とした一般市民の間では、
多少無理をして「ひげ税」を払いながらでも、髭を生やし続ける人も多かったそうです。
剃り落としてしまった人も、その髭を大切に保管しておき、
自分が死んだ際には棺桶に入れるよう指示していた人も少なくなかったようです。
そこまでアイデンティティに関わる問題だと思うと、少し切ない気分になってきますね…
今回ご紹介したふたつの税金は性質として正反対のものを持っていましたね。
ひとつは、税を徴収したくて沢山あるものを対象としたらその対象が減ってしまい、
ひとつは、対象を無くしたいから税をかけたが、頑なに反発する人がでてくる、
という、なんだか寓話にでてきそうな2つの税の事例でした。