2016.7.29 「仏具は相続税対策になる」は本当?

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「仏具は相続税対策になる」という話を耳にしたことはあるでしょうか。
昨年の相続増税を控えたころ、そんな見出しの週刊誌をチラホラと目にした方も多いかもしれません。
仏具店では、純金の仏像や仏具の売り上げが何倍にもなった、なんてニュースも流れていました。

確かに、国税庁の「相続税がかからない財産」の項目には…

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「墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物」と明記してあります。
日頃からご先祖様を敬う、信仰の対象のものには税金がかからないことになっているからです。
しかし、だからと言って純金の仏像・仏具が本当に節税対策になるのでしょうか?


もう一度先ほどの国税庁の「相続税がかからない財産」の項目を見てみましょう。
「1 墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物」の下に

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「ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有しているものは相続税がかかります。」
という但し書きがあります。
もしも生前に純金の仏具を買っていたとしても、
投資の対象として見なされてしまったら課税の対象になる、ということです。

税務署は生前5年間分の口座の取引履歴などをチェックします。
そこで高額な引き出しがあれば、その使用目的を相続者に訪ねようと訪問することがあります。
その際に、その仏具が日常的に使用されていれば問題ありませんが、
使用されることなく保管されていたり、売却されていることが判明した場合、
投資とみなされ課税の対象になってしまいます。

購入した仏具が日常的に使用されていることが認められ、課税対象から外れたとしましょう。
果たして本当に相続税対策になるのでしょうか?
例えば、故人の遺産が7,200万円あり、相続人が妻と子供3人の場合、
基礎控除額は「3,000万円+600万円×4人=5,400万円」になります。
このままだと課税遺産総額が「7,200万円-5,400万円=1,800万円」も残り、
妻の相続税は「1,800万円×1/2×10%=90万円」、
子供たちの相続税はそれぞれ「1,800万円×1/2×1/3×10%=30万円」となってしまいます。

そこで生前に1,800万円分の仏壇、仏鈴、位牌をセットで購入すれば、
遺産が5,400万円に減り、課税遺産総額が「5,400万円-5,400万円=0円」となるため、
相続税は一切発生しないことになります。
しかし、税務署が1,800万円分の仏具を「購入目的は祭祀用」と認めてくれることはほぼ無いと言っていいでしょう。
結局、相続税逃れという脱税行為の一種と見なされてしまう可能性がかなり高いです。

その他にも、純金の仏具は金の価格と照らし合わせてみると割高であることが多く、
あくまでも祭祀用や観賞用として保持することがおすすめです。

結論としては「仏具が相続税対策になることはほぼない」と言っていいのではないでしょうか。

(via 純金積立コツコツ入門)

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