毎日変動する、為替。
物心ついたときには既に、ニュースから
「今日の東京外国為替市場の円相場は〜」というフレーズが
なんとなく耳に入ってきていた人が多いのではないかと思います。
しかし、今から45年程前の1973年2月まで、
日本は固定円相場で1ドルの金額は決まっていたことをご存知でしょうか。
第二次世界大戦で敗北した日本は、至る所で焼け野原が広がっており、
経済も疲弊してボロボロの状態でした。
しかしそんな中でもアメリカと貿易を行い、経済を発展させていかなければ、
戦後からの復興はあり得ませんでした。
そこでこの時導入されたのが、1ドル=360円という固定相場制。
なぜ、360円だったのかというと、
当時、あまりにもボロボロな日本経済には基準がなく、
どうせなら日本円の「円」は1周が360度、だから1ドル360円にしよう!
とまさかの一休さんもびっくりなとんちからだったのです。
…というのは真っ赤な嘘。
実はこの説、まるで本当のことのように書かれたり、
話されたりしていることもあるようなのですが、
これ、故・田中角栄氏のジョークだったのだとか。
実際には終戦当時、アメリカから経済調査団がやってきて、
日本の経済力を冷静に分析。
そしてその当時のアメリカと日本の経済力を比較すると、
1ドル=320円か340円くらいが妥当なのではないかと算出したのだそうです。
実は当時、世界はアメリカを中心とした資本主義とソ連を中心とする社会主義の戦いの真っ最中。
中国や北朝鮮も不安定な情勢だったため、
日本にはなるべく早く経済復興してもらわなければならない状況でした。
そこでアメリカは日本に「アジアの中で資本主義て成功した国」としての役割を与え、
他の国に影響を与えようとしていました。
そこで実際に算出された320円〜360円より少し下駄を履かせ、
円安の1ドル=360円になりました。
こうして円安にしてもらったことで、日本国内で物を作り、
海外に物を売って経済復興を急速に進めていきました。
日本に有利な為替レートを設定してもらったことで、
日本はアジアの輸出大国として急速に発展していったのです。
もしかしたら飲み会の席などで1ドル360円だったのって、
1周が360度だからなんだぞ〜と話す人もいるかもしれませんが、
その人は今も田中角栄氏のギャグにうまく騙されていることになりますね。
まさか彼も、その場のノリで言ったにすぎないギャグが
平成も終わろうとする今でも本当のことのように噂されているなんて
きっと思ってもみなかったのでしょう…。
(via design Marketing)