2019.2.26 なぜ日本ではキャッシュレスが進まないのか

今年に入って、数々の企業が一挙にキャッシュレス決済に乗り出してきた印象があります。
そしてどれも「○○ペイ」という名称を使っているため、
正直どれがどれかわからない…という戦国状態。
このまま、一気にキャッシュレス社会は進むのでしょうか。

そもそも、日本はキャッシュレス決済に関しては大変に遅れをとっている国。
ここ数年で訪日観光客が増えたにも関わらず、
まだキャッシュカードさえ使えないお店もあったりして、
そのキャッシュレス後進国ぶりには観光客たちも驚いているようです。

他の国を見てみると、韓国は90%、中国・米国で50%前後なのに対して、
日本での民間消費全体に占めるキャッシュレス決済の割合は2割。
つまり、約8割は今だに現金が使われているということなのです。
政府はこの比率を2025年までに40%に引き上げようと目標を掲げています。

しかしなぜ、日本ではなかなかキャッシュレス化が進まないのでしょうか。
海外でのキャッシュレス決済の柱となっているデビットカードが日本では使われていない、
Suicaやnanacoなどの電子マネーは定着し始めてはいるものの、
少額決済が中心など、いくつか理由はありますが、
やはり一番は
何と言っても「現金志向の強さ」があります。
日本は世界的に見ても銀行の店舗数もATMの設置数も非常に多く、
現金が簡単に手に入る上、治安もよく、安心して現金を持ち歩けるのです。

しかし、現金貯蔵や輸送の関連費用は年間1兆〜2兆に達しており、
これから労働力不足が進む中で、現金の取り扱いに関する人手を減らすことは課題となってきます。
また、商品やサービスを購入した際のお金の流れをビッグデータとして活用できれば、
ビジネスチャンスにもつながります。
そして先ほども述べたように、自国でのキャッシュレス決済に慣れた訪日観光客にとって
現金でしか買い物ができないとなると、買い物を諦めてしまうことになり、
商機を失ってしまうことにもなります。

続々と登場したキャッシュレスサービスに関しては、
そのうち淘汰されていくような気がしますが、
少なくともこの数年で日本のキャッシュレス化はかなり進むことになるはずです。
どのサービスを柱にして自分の生活を回していくかなど、
少しずつ考え始めてもいいかもしれませんね。

(via NIKKEI STYLE)

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