2018.3.1 京都の町家は節税の末の姿?

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最近「京都の町家」を投資目的で購入する人が増えているといいます。
築年数さえ不詳なものも多い町家を、何故投資目的で?と思うかもしれませんが、
その絶対的な希少性ゆえに、高級レストランやカフェなどになることも多く、
土間に窯を置いて自分の作品を作りたい陶芸職人、
ネットの発達によってどこでも仕事ができるようになった
デザイナーやイラストレーター、ライナーなどの職種の人が
「京都暮らし」に価値を見出し、借りる人も多いというのです。
そのような人は一度気にいると離れることが少ないので、
安定した家賃収入が見込めるのだとか。

「うなぎの寝床」とも言われる、間口が狭く奥行きが長い町家。
表構えはとても慎ましい反面、入り口から裏口まで続く「通り庭」に沿い、
店の間、台所、奥の間と奥へ深く続いているその作りは、
内に繊細な美意識を秘めた京都のイメージとぴったりです。
また、盆地で夏はうだるような暑さになる京都では、
通り庭が風の通り道になることで暑さを緩和できるという効果もあるようです。

そんな京都の町並みを象徴するような建物、町家。
しかし、実はあのような作りになったのには、様式美や暑さ対策ではなく、
税金が深く関係しているのをご存知でしょうか?

豊臣秀吉の時代に「地口銭」という税の種類がありました。
それは、家の間口の広さに応じて課税をするというものだったのです。
ですので、人々はなるべく間口を狭くし、奥行きのある家を作ったのでした。
現在残されている町家を見ても、ほぼ間口の広さが同じなのもそのため。
多くの町家は、
・間口=2間(3.6m前後)
・奥行き=10〜12間(役18〜22m)
だったと言われています。

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京都の町並み、というと必ず写りこんでくる町家ですが、
このような理由であの形になったのだとしたら、
もしもこの税がなかったら一体どんな風景になっていたのでしょうか。
その「もしも」も見てみたかったような気がしますね。
京都はこれから桜の季節。
もしも京都に訪れる機会がありましたら、そんなことも頭にいれながら
町並みを見てみると、また違った感動があるかもしれません。

(via 京都通.JP

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